石垣島でミサイルが暴発、攻撃されたら? 防衛省「仮定の質問にはお答えできない」配備めぐり市民団体らと面談


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
石垣市への陸自配備について防衛省の担当者に要請書を提出する「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」の関係者=24日、東京

 【東京】沖縄県石垣市への陸上自衛隊配備計画に伴うミサイル配備を巡り、防衛省は24日、住民被害の可能性があるミサイルが攻撃される事態の対応について問われ「仮定の質問にはお答えできない」と回答を避けた。国会内で行われた、市民団体や県選出の野党国会議員でつくる「うりずんの会」などとの交渉で明らかにした。

 交渉では、市民側が火薬類取締法令で定める保安距離について「ミサイルを想定していないのではないか」と指摘した上で、ミサイルが攻撃される事態の対応について「金属片の飛散やミサイルの暴発を想定しているのか」と質問した。

 これに対し、防衛省の担当者は「仮定の質問にはお答えできない」とだけ説明。「暴発させないということが大事で過去にそういう事例もない」として関係法令に基づいた対応をしているとする回答に終始した。

 防衛省の担当者は同日の交渉で「自衛隊が保有する各種弾薬については、火薬類取締法令に規定する火薬類に該当する」とし、建設が進む石垣の陸自駐屯地への配備が見込まれるミサイルにも同法令が適用されるとした。安全性への配慮については「関係法令に基づき、十分な保安距離を確保するなど適切に対応している」とした。

 2019年12月の沖縄等米軍基地問題議員懇談会のヒアリングで、経済産業省は「重火器のようなものまで想定していない」と説明しており、政府見解が食い違っているとの指摘もあった。

 経産省の回答との齟齬(そご)についても質問があったが、防衛省担当者は「一概にお答えすることは困難だ」と述べるにとどめた。交渉に伴い「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」は浜田靖一防衛相に向けた汚水処理、弾薬庫の安全性など6項目についての住民への説明を求める要請書を提出した。

(安里洋輔)