物価高 家計を直撃 電気、ガソリン、食料品…


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スーパーの精肉売り場では、商品を手に取った客が価格や分量をじっくりと確認している様子が見られた=25日、那覇市のコープあっぷるタウン店

 食品や生活用品、電気やガソリンなど、生活を取り巻くあらゆる品が値上がりし、県内でも家計を直撃している。おかずの品数を減らしたり、電気をこまめに消したりと工夫を凝らしても止まらない値上げに、「これ以上やりようがない」との声も聞かれた。生活困窮者支援団体は、今年に入ってから物価高の相談が増えたと言い「全般的に物価が上がって生活が苦しくなっている。もともとぎりぎりの生活をしていた人は持ちこたえられなくなっている」と指摘する。

節約「これ以上無理」

 那覇市内で一人暮らしをしている山城新竹さん(83)は、月3千~4千円だった電気代が、最近では8千円近くまで上がっている。見ていない時はテレビを消すなど節約を試みているが、効果は感じられず「食品や生活用品をなるべく安く抑えるため、買い物は安い所を探している」と困った様子だった。

 那覇市の西村康夫さん(71)は最近は料理を一品減らし、安い食材や冷凍食品を選ぶなど節約している。「食事の質を下げている。せめて食料品の税率だけでも考えてほしい」と求めた。

 那覇市在住の女性(47)は、食べ盛りの中学生の息子と小学生の娘がいる。料理にはなるべく肉を取り入れるが、もやしやキノコ類を使う頻度も増えた。「かさ増ししているがもやしも高い。どれも20~30円上がって困る」と話した。

 那覇市のスーパーで買い物をしていた40代女性は「サンドイッチを買っていたが値上がりしたため食パンに代えた」と話した。ほかにもチーズやハム、お菓子の値上がりを実感している。自宅のウオーターサーバーも200円ほど値上がりした。家族4人暮らしで、自宅はオール電化。電気代は約5千円増え「続くと厳しい状況だ」と苦い表情を見せた。

 50代女性は、スーパーの特売日に買うなどやりくりしている。「工夫のしようがなくて困る」と話すのはガソリン代。車を使わないわけにはいかず、値上がりが家計を苦しめている。

 生活困窮者の相談を受ける県就職・生活支援パーソナルサポートセンター南部の担当者によると、窓口となっている住宅確保給付金の申請は2年前から増え続け、地域の社会福祉協議会と連携するコロナ特例貸し付けの申請も激増しているという。

 (中村優希、金盛文香、稲福政俊)