沖縄県が32軍壕の掘削調査公開 第1坑口を特定へ


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 県は25日、第32軍司令部壕保存・公開事業のボーリング調査を報道陣に公開した。調査は未発掘の第1坑道や第1坑口の位置を絞り込むことが狙い。第32軍司令部壕は日本軍が南部撤退する際に出入り口などを爆破。直後に首里を占領した米軍が内部を調べ、情報報告書にまとめた。戦後、那覇市や県が第2、3坑道、第5坑口や坑道を調査したものの、第1坑口や第1坑道には入れていない。

 県は本年度、全体像を把握するための詳細調査を実施。地上からの物理探査で、首里城公園内の園比屋武御嶽石門付近と歓会門広場の2カ所で、第1坑道があるとみられる場所を検出した。

 ボーリング調査は園比屋武御嶽石門付近で17日から始めた。約23メートルを目標に掘り進め、25日現在、約20メートルに達した。歓会門広場でも23年1月から始める。空洞の有無を確認し、空洞があればカメラを入れて観察する。

 県は、調査で第1坑道の位置が特定できれば、その延長線上にある第1坑口の位置を絞り込めるとみている。 (中村万里子)