食品残さを堆肥に、ホテル内で循環 カヌチャリゾートが沖縄初導入


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沖縄初の設備を導入し、レストラン残さの堆肥化に取り組むカヌチャベイリゾートの白石武博社長(左)と、発酵分解装置をレンタル提供するNTT西日本沖縄支店の古江健太郎支店長

 カヌチャベイリゾート(名護市、白石武博社長)が、ホテルレストランの食品残さを堆肥化する装置を新たに導入し、運用が始まっている。できた堆肥はホテル内で活用し、食品資源の循環を目指す。

 フードバンクなど社会貢献活動に取り組むNTT西日本が、所有する食品残さ発酵分解装置「フォースターズ」をレンタル提供した。この装置は沖縄県内では初導入という。同社が各地で進める「食品資源循環ソリューション」提供の一環で、リゾートホテルでの導入は国内で初めて。

 カヌチャホテルの洋食レストランで、野菜の皮などの調理前残さ40~70キロと、スプーン1杯ほどの堆肥化促進剤を毎日装置に投入。分解が進み、24時間後には10分の1の量に減少した1次発酵物となる。それを関連会社の「カヌチャグリーン」で2次発酵、3次発酵させ、1ヶ月後には堆肥が完成する。ホテル敷地内のヤシの木など植栽の肥料として使用している。

 白石社長は「食品残さ処理という課題をうまく解決できずにいた中で実現した連携。今後はホテル内の他のレストランにも運用を広げたい」と話した。NTT西日本沖縄支店の古江健太郎支店長は「まずはカヌチャリゾートでの取り組みを進め、今後は地域の他の業界にも広げていければ良い」と、食品資源循環への展望を語った。

 (林恭子)