「美しい家具作りたい」石橋さん、技能五輪で2年連続最高賞 家具職種部門 沖縄県出身、山形で勤務


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「第60回技能五輪全国大会」の家具職種部門で金賞を受賞した石橋葵さん=山形県天童市(天童木工提供)

 11月4~7日に千葉県などで開催された「第60回技能五輪全国大会」の家具職種部門で、県出身の石橋葵さん(21)=那覇市出身、山形県在住=が昨年に続いて最高賞の金賞に輝いた。石橋さんは3年前から山形県の家具製造会社「天童木工」に勤務。図面との整合性や寸法の正確さ、引き出し部分の滑らかさなどが評価された。「沖縄と山形、両県の友人や先生方、同僚の皆さんの応援あってこその金賞だ」と喜びを語った。

 大会は23歳以下の若者が各職種で技能レベルを競う。家具職種には今年、石橋さんを含む23人が出場した。石橋さんは昨年に続き山形県代表として出場した。

 選手は課題の図面を基に、11時間の制限時間内に木製キャビネットを組み立てる。0.1ミリ単位の緻密な加工とスピーディーな技術が勝敗を分ける競技だ。

 浦添工業高在学中から技能五輪に出場し、今大会は5度目の出場。「今年は2連覇を懸けた大会で昨年よりプレッシャーが大きかった。本番は練習の成果を出すことに集中した」と振り返る。

 平常心を保ち、完成形をイメージして木材と向き合うことを心掛けた。「木材の削りの大小で仕上がりが変わる。誤差0.3ミリ以内に収まるように意識した」と話す。繊細な技術が評価され、見事2連覇を果たした。

 中学時代に志した家具職人の夢をかなえ、山形県で活躍する。職人としての目標は「誰が見ても美しく、買いたいと思える家具を作ること」。技術を駆使し、木材を家具に仕立てることが楽しくて仕方がないと言う。

 指導してくれた高校時代の恩師や沖縄の友人への感謝の思いも強い。「皆さんのおかげで金賞を受賞することができた。来年は大会初の3連覇を目指す。応援を裏切らないようこれからも頑張りたい」と力を込めた。
 (赤嶺玲子)