<会場からの質問>
文化芸術 次世代に伝えるには
分かち合い、続けていくこと大切
―50年後、沖縄にコモン(市民)の社会は訪れるか。
斎藤 沖縄には、単にお金もうけをしようという精神以外のものを感じる。沖縄の人たちが未来の自己決定権を取り戻すことは、市民が大企業と戦うミュニシパリズム(地域主義)となるだろう。ゆいまーるの精神をベースに地場産業を活性化させることで、沖縄から最先端のモデルが生まれることもある。
―沖縄の文化芸術を次の世代に伝えるには。
島袋 私もしまくとぅばの歌が分からないことも多いが、楽しみながら分かち合って続けていくことが大事だと思う。
―しまくとぅばを残すには。
石垣 ハワイ語も消滅危機言語だったがハワイ語で教育される幼稚園やハワイ語の論文を書ける制度があった。実際に使う場を作るのが重要だ。
<まとめの言葉>
「世界が必要とする沖縄になる2030年」 比屋根氏
「やってみる」 島袋氏
「自治」 斎藤氏
「チャレンジするうちなーんちゅ」 上間氏
「自然に沖縄のことを知る、語ることができる」 石垣氏
比屋根
まずは2030年を考え、可能性しかないと感じている。県民ひとりひとりが可能性を信じ、チャレンジする人を増やして応援する仕組みを作っていくことが大事だ。
島袋
沖縄には多くの希望があると感じた。沖縄だからできることを大事にして、私たちがそれを実感できることが一番いい。そのためには小さくても一歩ずつ進み、チャレンジすることが大事だ。
斎藤
基地から、本土依存から、資本依存から自治を取り戻すこと。県外の人間が意識を変えなければ実現しない。どのように自治の社会を作っていけるか、沖縄県民とともに考えていこうと決意を新たにした。
上間
スローで心やさしいうちなーんちゅを残しながらも、ゆっくり成長していく。その結果、魅力ある沖縄になればよいのではないか。魅力ある沖縄を私たちがこれから作っていきたい。
石垣
分かりやすい結論は出ないが、多くの質問をもらった。豊かさとは。沖縄らしさとは。自身の考えを述べながらも、いろいろな人たちと議論し、どうすべきかを一緒に考えていきたい。
島
それぞれ専門分野は異なるが、全てがつながっていると感じられた。沖縄のこれからの50年を見据え、一緒に頑張っていこうではないか。
<登壇者>
【パネリスト】
石垣綾音氏(まちづくりファシリテーター)
上間園子氏(上間フードアンドライフ社長)
斎藤幸平氏(東京大准教授)
島袋寛子氏(歌手)
比屋根隆氏(レキサス、うむさんラボ社長)
【コーディネーター】島洋子・琉球新報編集局長
【司会】荒木さくら・NHKアナウンサー