復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉11月28日「和平の望みに暗影/北ベ、米の力の交渉非難」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」した1972年11月28日の琉球新報1面トップは、「和平の望みに暗影/北ベ、米の力の交渉非難」との見出しで、ベトナム和平の交渉を巡る北ベトナム側のけん制姿勢を伝えている。

  日中国交正常化に連動した台湾との関係などについて「日台関係は今月中に整理/日中大使館設置早急に」と田中角栄首相の会見内容を紹介している。

 さらに田中首相の掲げる「日本列島改造」に向けて「国土開発庁設置へ/総合調整、実施機能を付与」との見出しで、機構改革に乗り出す首相の姿勢を伝えている。

 

 

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。