南城市に場外舟券場の計画 「子に悪影響」「区の活性化」と賛否両論 大里稲嶺区


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 【南城】南城市大里稲嶺に競艇の場外舟券発売場(通称・ボートピア)を建設する計画があることが6日までに分かった。関係者によると、那覇市内の業者が稲嶺区に対して計画への同意を求めており、同区は常会などで複数回にわたって区民に説明している。

 計画地は、県道77号沿いのサンエー八重瀬シティの斜め向かいに位置する私有地で、面積は約1万平方メートル。複数の地主が、同社と売買契約を交わしたという。一方、計画地は市条例で遊技施設の建設が禁止されている。

 区民に配布された誘致計画の資料では、場外舟券発売場の誘致によって「稲嶺区の発展につながる」とし、「稲嶺区からの優先雇用」や「毎年の振興協力金(200万~300万)の給付」などと記載している。区民からは「子どもの健全育成や生活環境に悪影響を及ぼす」や「区の活性化のためなら誘致した方が良い」など、賛否両論の声が上がっている。

 市は南城市特定用途制限地域における建築物等の制限に関する条例でパチンコ店や馬券・車券販売所等など、遊技施設の設置を禁止している。6日の市議会12月定例会の代表質問で徳田高男議員(真南風会)が大里地域の場外舟券発売場の計画について質問したところ、市の西村啓土木建築部長は「当該区域では建設できない」と答えた。古謝景春市長は「市内に遊技場を造らせないという気持ちがあるので、条例もしっかりと守っていく」と答弁した。
 (金城実倫)