祈りの響き、舞台を彩る 首里城復興支援公演「第1回ウスデーク祭祀」 国立劇場おきなわ


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石川ウスデーク保存会によるウスデーク

 第3回山内盛彬顕彰・首里城復興支援公演「琉球の祈りの響き 第1回ウスデーク祭祀」(沖縄芸術文化財団主催)が11月27日、国立劇場おきなわで開催された。1部で首里王府オモロ保存会らによるオモロとウムイ、2部で麻生伸一琉球大学教授の講演、3部で石川ウスデーク・エンサー保存会の集団演舞、竹富島の神司による平和祈願や島の歌と踊りを上演した。琉球王朝の古謡と民俗芸能の魅力を伝えた。

 1部は「ノロのウムイ保存会」によるウムイで幕を開けた。漁の安全祈願の「海ウムイ」など3曲が幻想的に歌われた。首里王府オモロ保存会は、主取(ぬしどぅい)の高江洲義英を中心に、五月稲穂祭の儀式で歌った「あおりやへかふし」と、御冠船の舞台を前に歌われた「しよりゑとふし」を披露した。威厳のある歌声に観客は聞き入った。

 石川ウスデーク保存会は六つの歌に合わせ、ウスデークを披露した。約20人の会員が扇や四つ竹など、手にする道具を変えながら、小気味よく踊った。続いて、ウスデークを踊り終えた女性たちに招き入れられて、10人余りの石川エンサー保存会の男性が舞台に現れた。舞台中央の旗頭を中心に、円を描きながら小太鼓を打ち鳴らした。

 竹富島の平和祈願は、島の神司の与那国光子さんらが行い、種取祭で奉納される芸能から「まさかい」や「ジッチュ」を踊った。最後は、巻踊り(竹富のクイチャー)を披露し、心地良いはやしの響きと共に幕を下ろした。

(藤村謙吾)