自衛隊基地内で旧宮城村の古墓発見 18世紀に建立か、日本軍の壕も 那覇市の航空自衛隊那覇基地


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小禄道路敷設で発掘された旧宮城村が利用していた古墓群。門中の子孫が視察した=14日午前、航空自衛隊那覇基地(又吉康秀撮影)

 那覇市による航空自衛隊那覇基地内の発掘調査で、18世紀に造られたとみられる宮城村(みやぐすくむら)(現在の那覇市宮城地域)の古墓や戦時中の日本軍壕が発見された。調査の結果、古墓は宮城地域の大屋(うふや)門中などの墓だと判明した。14日に大屋門中の子孫7人を現場へ招き、墓に関する情報を聞き取った。

 小禄道路建設に伴う自衛隊基地内の道路工事計画を受け、那覇市の文化財調査で2015年に古墓と壕の一部が発見された。今年9月から発掘調査が行われている。

 出土した厨子甕(ずしがめ)に「宮城村」と書かれていたため、宮城出身者が作成した戦前の地図と比較し、どの門中墓か特定できた。

 発見された古墓は大屋、安次嶺、上(い)ン門(じょう)の3門中の墓。宮城村ができた時期や発見された厨子甕などから大屋門中の墓は18世紀中ごろ、上ン門門中の墓は18世紀末に造られたとみられる。安次嶺門中の墓は出土品がなく、造られた時期は不明だ。 

(伊佐尚記)