西武・山川「不安で眠れない夜、今でも」16年ぶりの母校・城北中で語った、重圧、挑戦、エール 沖縄


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母校の城北中で生徒たちと記念撮影する(前列左3人目から)西武の山川穂高、特別ゲストの原辰徳巨人監督、知念覚那覇市長=16日

 プロ野球のパ・リーグで今季、本塁打王と打点王の2冠を達成した埼玉西武ライオンズの主砲・山川穂高内野手(31)(中部商高―富士大出)が16日、母校である那覇市の城北中を訪れ、特別授業で生徒らに激励の言葉を伝え、交流した。33期生の山川は卒業して以来、16年ぶりの来校。本塁打王について「今年の年明けからホームランを打つと、地元で宣言していた。そうすれば逃げ切れない状況になる」とあえて自らに重圧をかけていたことを明かした。来季については「キャリアハイ(自己最高)が出せるように準備したい」と見据えた。

 「ファンケルキッズベースボール特別授業 次世代応援企画」として同校体育館で生徒らと交流した。特別ゲストとして巨人の原辰徳監督、知念覚那覇市長も登壇した。フリーアナウンサーの諸見里杉子さんが進行役を務め、質問を投げ掛ける形で進めた。

 生徒からの「壁にぶつかった時はどう克服したか」との質問に対し、山川は「壁はたくさんあり過ぎるし、ぶち当たることしかない。悩みや不安を抱え、31歳になった今でも、夜眠れないことも何度もある」と明かした。その上で「乗り越えるには練習するしかない。苦しいことがあっても、どうせだから立ち向かう。そこを越えた時に進化できる。そうやって壁を乗り越えてきた」と語った。

 小学4年生の頃、友達に誘われて野球を始めたことも語った山川。中学は硬式クラブで野球に打ち込み、学校ではバレー部に所属したという。学校の成績は良くなかったことも話し「勉強は全くできなかったけど、野球は何となく続けていた。学校の先生でもピアニストでも何でもいいけど、目標とかこうなりたいというものに一直線に好きなものに向かっていった方がいい」と生徒たちにエールを送った。

 原監督は山川を「日本を代表するスラッガー。人懐っこく、天真らんまん。野球に対してすごく努力する。外国人選手並みのパワーを持つ」とべた褒めした。巨人の大城卓三の名前も挙げ「沖縄の選手は乗せると勢いが出る選手が多い。沖縄の野球はすごく伸びていて、監督や選手、環境を含めて立派な宝庫。キャンプ地であることも影響している」と語った。

 知念那覇市長は、巨人の大城が城西小時代にコーチとして指導していたとの逸話を披露し、懐かしんだ。

(大城三太)