尖閣諸島周辺、国有化後に領海侵入相次ぐ 漁業や暮らしにも影響<安保3文書と沖縄>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 安保関連3文書は急速に軍事力を拡大する中国を巡り、東シナ海や南シナ海などの海空域で「一方的な現状変更の試み」を強化し、活動を活発化させていると指摘。中国の軍事動向について「最大の戦略的な挑戦」だと明記した。

 2012年の尖閣諸島国有化を契機に、尖閣諸島周辺で中国海警局の船舶による領海侵入が続き、22年も12月16日までに合計32日間の領海侵入が確認されている。

 沖縄本島と宮古島間の海空域も、中国軍機や船舶が太平洋への通過を繰り返している。18年以降はほぼ毎年、沖縄に近い太平洋上で空母「遼寧」が航行し、艦載航空機の飛行などが確認された。

 今年8月には当時のペロシ米下院議長の訪台に反発する形で中国軍が台湾周辺で大規模な軍事演習を実施し、波照間島近海の排他的経済水域(EEZ)に弾道ミサイル5発が落下。県民の暮らしや漁業者の航行にも影響を及ぼした。

 3文書は、中国への対処に関し「防衛力を含む総合的な国力と同盟国・同志国等との強力・連携により対応すべきものだ」としている。

(池田哲平)