【独自】石垣島陸自、地下に「作戦室」設置へ ミサイル回避「住民避難目的でない」 沖縄


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石垣市の陸上自衛隊の駐屯地予定地(2020年撮影)

 【東京】沖縄県石垣市に本年度開設予定の陸上自衛隊駐屯地で、通信機器室や事務室が地下に造られることが17日までに分かった。防衛省は災害などの対策事務室としているが、自衛隊関係者によると、有事には相手のミサイル攻撃などを回避するため、指揮官らによる作戦調整や現地での指揮機能を担う作戦室として使うことが想定される。

 防衛省によると、通信機器室には外部との連絡を取る機器などが備わっている。防衛省担当者は取材に対して「地域住民の避難を目的として造った施設ではない」と述べた。

 16日に政府が閣議決定した新たな安全保障関連3文書は、自衛隊の「持続性・強靱(きょうじん)性」を高めるため、主要司令部など重要施設の地下化をうたっている。石垣駐屯地では3文書の改定に先立って施設の地下化に取り組んだ形だ。

 「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」事務局の藤井幸子さんは、一部施設の地下化について「(駐屯地が)攻撃されるのを想定しているということだ。抑止力を理由に駐屯地建設が進められてきたのではなかったのか」と疑問を呈した。また「ロシアのウクライナ侵攻を例に抑止力の重要性が言われるが、ウクライナだって抑止力を持っていたはずだ。安保3文書も改定され、ますます怖くなっている」と語った。

 石垣駐屯地の工事は2019年3月に始まった。防衛省は警備部隊や中距離地対空ミサイル、地対艦ミサイル部隊など約570人を配置する予定。弾薬庫4棟は地上に造って土で覆う。(明真南斗、西銘研志郎)