ハンドボールの第51回九州高校選抜大会県予選は18日、ANA ARENA浦添で男女決勝が行われた。男子は興南が31―25で那覇西を破り6年連続32度目の頂点に立った。女子はコザが16―14で浦添に競り勝って2年連続4度目の優勝をつかんだ。優勝、準優勝した4校は来年2月に佐賀県で行われる全国選抜大会出場を懸けた九州大会に推薦される。
女子のライバル対決、浦添に雪辱
女子は決勝で何度もぶつかり合うコザと浦添とのライバル対決となった。コザは9月の選手権で勝利したが、11月の新人大会は敗れており雪辱を果たした。
試合はロースコアで展開し前半を終えてコザが9―5でリード。後半は浦添のパス回しから巻き返しに遭い、20分過ぎには13―12と1点差に迫られた。チームはここでタイムアウトを入れ、冷静さを取り戻す。守備を中心にチームの柱となった宮城愛澄主将は「自分たちのミスが原因なので、やるべきことをやろうと確認した」と以降は傾き掛けた主導権を再び取り戻した。
試合を通してGK喜屋武香音は「今までで一番力を出せた」と反射神経の良さを発揮した。「相手のシュートの特徴を動画で分析していた」と鉄壁の守りで勝利に貢献した。
この試合、2得点を挙げた川本星(そら)は、母親が病気で入退院を繰り返しており、チームは全員で勝利への思いを共有。優勝旗を持って帰ろうと決意していた。母親は会場で応援予定だったが体調不良で来られず、一人一人が余計に奮起した。川本は「私よりもみんなが頑張ってくれた。いい報告ができる」と涙目だった。
宮城主将は九州に向け「どこにも負けないチームを目指す」とさらなる成長を誓った。
(大城三太)
男子は興南の両サイドが得点源に
興南は両サイドからの得点力が武器になった。左の嵩西遥斗、右の儀間颯真がコートを広く使い、ボールを受けると同時に中へと鋭く切り込んだ。
8得点の嵩西は「一本も外さなかったので自分としてはいい内容。相手エースの石原直弥に10点を許したのはチームとして反省点」と手放しでは喜ばなかった。儀間は「調子が良く、積極的に打てた。自信になった」と7得点。2人ともシュート精度の高さも光り、相手の脅威となった。
前半こそ競り合ったが、後半以降は運動量のある堅守を貫いた興南が勢い付いた。攻めでは速いパス回しで相手マークをずらし、マフリーになった選手がシュートを決めるなど、誰もが得点できる強みを生かして的を絞らせなかった。
洲鎌史成主将は「出だしが悪かった。どこで勝負をさせて、どこで奪うかなど対応が甘かった。相手に合わせて足が止まる場面など、守備を基礎から確認して直して九州に挑みたい」とチームの課題を見詰め直した。
(大城三太)