1週間前に170キロ完走 女子優勝の尾藤、笑顔のまま走りきる 沖縄100Kウルトラマラソ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
100キロの部、両手を上げ、喜びながら女子1位のテープを切る尾藤朋美(金城実倫撮影)

 タイで1週間前に行われた170キロマラソンを完走したばかりの尾藤朋美(東京)が、100キロを笑顔のまま女子トップで走りきった。道中にカメラマンがいれば、両手を掲げてポーズする元気っぷり。自己新でゴール後は「マジできつい。足がなくなると思った」と疲労困憊(こんぱい)ぶりをアピールした。

 元保育士で、現在はパーソナルトレーナーとして働く32歳。ウルトラマラソンどころか、フルマラソンを始めたのが4年前だ。大好きなお笑いタレント藤森慎吾のフル完走を受けて挑戦した。元々「走ることが嫌いではない」。わずか1年半で3時間以内を走るほどに成長した。

 さらに「人体実験への好奇心」から、トレイルランやスパルタンレースなどにも足を踏み入れた。昨年は“世界で最も過酷”と言われるサハラ砂漠250キロマラソンの女子総合で準優勝するなど、国内外で躍動している。

 年明け早々にはコスタリカのジャングルを240キロ走るトレイルランが控えている。沖縄での初ウルトラマラソンを楽しみつつ、「運動で心も体もハッピーになれることを伝えていきたい」とこれからも限界に挑戦し続ける。
 (金良孝矢)


 第5回沖縄100Kウルトラマラソン(同マラソン実行委員会主催、琉球新報社共催)が18日、与那原町の与那古浜公園を主会場に3年ぶりに開催された。

 100キロ男子の部は、初出場の藤原拓(東京)が大会新の7時間12分33秒を樹立してゴールした。同女子は初出場の尾藤朋美(同)が9時間8分11秒で頂点に立った。(27面に関連)

 50キロ男子は原口伸一(宮崎)が3時間55分5秒で栄冠に輝いた。同女子は中島麻貴恵(千葉)が4時間7分55秒で1位。22.5キロの部(ニライカナイラン&ウォーク)男子は土屋正幸(新潟)が1時間45分50秒で優勝。女子は山城莉加子(那覇市)が2時間14分50秒で制した。同日は南城市糸数で最低気温が10.8度(午後4時20分)、最大風速は13.4メートル(同3時52分)で、寒空の中でのレースとなった。