自衛隊の3病院建て替えに98億円 那覇病院、台湾有事を念頭に強化方針、地下化も 来年度予算


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 【東京】政府は2023年度予算で、自衛隊那覇病院(那覇市)を含む自衛隊の3病院の建て替えについて、関連経費を合計約98億円計上する方針を19日までに固めた。政府担当者が19日に開かれた自民党の会合で説明した。那覇病院については、台湾有事を念頭にした機能強化と老朽化対策のため、27年ごろに建て替える計画があり、地下化も予定している。

 建て替え関連費が計上されたのは那覇のほか、福岡病院と横須賀病院。政府は16日に閣議決定した防衛力整備計画に那覇病院の病床増加や診療科増設、地下化などの機能強化を盛り込んだ。

 那覇病院について、防衛省・自衛隊は有事となった場合の南西地域における医療拠点と位置付けており、負傷隊員の主要な搬送先と想定している。今年3月には管理主体を航空自衛隊から陸上自衛隊に変更。建て替えに伴い、自衛隊関係者以外にも診療対象を広げることも検討している。

 出席者によると、自民党会合では、政府担当者から23年度予算案の防衛費は、米軍再編経費を含めて約6兆8千億円で調整しているという説明もあった。
 (明真南斗)