部活動のあるべき姿は? 顧問や部員との関係、少ない休み…沖縄の高校生が悩みを共有、意見交わす


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部活動のあるべき姿を考える高校生検討委員会で日頃の活動の悩みや改善点を語り合う生徒ら=19日、県庁

 沖縄県内の高校生が部活動の意義や課題を共有し、部活動のあるべき姿と目指す方向性を協議する第1回の高校生検討委員会(県教育庁主管)が19日、県庁で開かれた。県内7校から20人の生徒が参加し、部活動の悩みや改善点について意見を交わした。

 同検討委は、部活の主人公である生徒が協議する場とし、最終的には県高校生部活動ビジョン(仮称)の策定を目指す。ビジョンを県民へ発信し、暴力や暴言、ハラスメントのない部活動への機運醸成を図ることが目的だ。

 生徒らは各グループに分かれ、石原端子沖縄大准教授の進行で、意見を共有した。多くの生徒たちは「楽しいから」「競技が好きだから」部活動を続けていると語った一方、悩みも抱えていた。「顧問との関係」「部員同士の人間関係」のほか、「休みが少ないが『変えられないこと』として過ごしている」「設備や環境面で一部の部活が優遇され平等ではない」という声が上がった。

 部活動を自主的な活動にする方法を話し合う中で、あるグループからは「顧問が一方的に話すなどミーティングの質に問題がある。生徒同士が話す場が必要ではないか」と提案があった。生徒自身が練習メニューを考え自主的な部活動にしようという意見も。実践している生徒は「生徒がお互いに意見を出し合える」と利点を挙げた一方「自分たちの考えだけでは、限界を感じることもある」と課題も指摘した。

 合唱部とハンドボール部に所属する名護高2年の生徒は「共感できる悩みも多く、よりよい部活動に向けて改善点を探っていきたい」と話した。前原高2年で野球部の生徒は「沖縄の部活動の在り方を考える前向きな話し合いができた」と語った。検討委は計4回の開催。来年1月中にコザ高校で計3回を開き、2月には意見をまとめ、県高校生部活動ビジョン(仮称)として半嶺満教育長に手交する。
 (吉田早希)