音楽と映像、踊りで沖縄を紡ぐ 東京で「ウタ拝」 都内での公演は4年ぶり 


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「沖縄のウタ拝」で歌を披露する辺土名直子さん(奥)とCoccoさん=18日、渋谷区文化総合センター大和田さくらホール

 【東京】音楽と映像、踊りで表現者たちが沖縄を紡ぐ「沖縄のウタ拝」が17、18の両日、渋谷区文化総合センター大和田であった。ステージ背景には沖縄の歴史や光景など、映像が投影され、音楽や踊りと合わせて沖縄の叙事詩をつづった。

 「ウタ拝」は主宰者のピアニスト・作編曲家の辺土名直子さんが総合演出、歌手のCoccoさんが歌や踊りを務めて2015年に始動した。戦後70年の同年に始まり、今回で5回目。都内での公演は4年ぶりとなった。

 舞台は「ニレー神~やうら」(辺土名さん作曲)に始まり、琉球古典や民謡、ポップス、クラシックと、多文化を取り込んだ音楽劇。辺土名さんの沖縄情感あふれるオリジナル曲などと映像が融合して、沖縄の自然が育む神秘的アートと共にノスタルジアの世界へ観衆をいざなった。最後は大城建大郎さんの唄三線によるカチャーシーで舞台の幕を引いた。

 辺土名さんは「ふるさとの歴史と対峙(たいじ)しながら舞台をつくる中で世界の出来事と身近になる。遠くの出来事と見逃し、見ないふりをせず、次の世代、子どもたちへ平和をつなぐために舞台を続けたい」と「ウタ拝」に込めた思いを語った。

(斎藤学)