PFAS対策の活性炭交換、年3億5000万円…沖縄県の浄水場 費用抑制には発生源の調査・除去が必要


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 【中部】米軍基地周辺の河川などから有機フッ素化合物(PFAS)が検出されている問題で、県は毎年、約3億5千万円をかけて、PFAS対策のために北谷浄水場の浄化装置にある粒状活性炭を交換している。発生源の汚染除去をしなければ、高額な費用が恒久的に必要になるため、県は基地内への立ち入り調査を求めている。

 県は北谷浄水場に活性炭を用いた浄化装置16機を設置している。活性炭にはPFASを吸着する能力があり、毎年4機ずつ、新しい活性炭に取り換えている。工事費は2021年度から23年度までは防衛省が約7割を補助するが、以降は決まっていない。

 PFASは自然界でほとんど分解されないため、浄化による高額な費用を抑えるためには汚染源を除去することが求められる。一方で米軍は基地内の調査に否定的姿勢を示しており県の立ち入り調査も認めていない。

 北谷浄水場で取水する水源のうち、比謝川、長田川、天願川、嘉手納井戸群からPFASが検出されている。現在は3つの水源から取水を停止し、嘉手納基地内の嘉手納井戸群のみ取水を続けている。井戸群からは10月末現在、1リットル当たり平均27ナノグラム(PFOSとPFOAの合計値)が検出されている。
 (名嘉一心)