土地規制法、沖縄から声を 全国初、対策弁護団発足


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土地規制法対策沖縄弁護団の結成について記者会見する(左から)仲山忠克弁護士、加藤裕弁護士、仲松正人弁護士、谷山博史さん=23日、那覇市の県庁記者クラブ

 安全保障上重要な施設の周辺や国境離島を対象とする「土地利用規制法」について、大きな影響を受けると予想される沖縄で自治体や市民を支援しようと、弁護士8人が23日、土地規制法対策沖縄弁護団を結成した。同法の対策弁護団の発足は全国初という。

 「県民監視、弾圧も」

 今後、学習会の開催や区域指定される自治体への働きかけ、市民相談などの活動をしていく。団長は加藤裕、事務局長は儀保唯の両弁護士が務める。

 23日の記者会見で加藤弁護士は、規制法が思想信条の自由や表現の自由、財産権を侵害する違憲の法律だと批判。「いずれ県内の広い地域で区域指定され、多くの県民が監視され、基地反対運動の萎縮を招き、弾圧が実行されるだろう。法律専門家として必要な活動をしていく」と表明した。

 9月に全面施行された規制法は、自衛隊基地や国境離島、原発周辺の土地を「特別注視区域」や「注視区域」に指定。政府は土地所有者の調査のほか、施設の機能を妨害する「機能阻害行為」への中止勧告や罰則付きの命令を出すことができる。

 10月に政府が提示した最初の区域指定候補地には、沖縄は含まれなかった。仲山忠克弁護士は、反対運動が起こりにくい地域から指定したのだろうとし「沖縄から先に声を上げる必要がある。沖縄弁護団が嚆矢(こうし)となって、全国で弁護団が結成されるようになれば」と述べた。

 仲松正人弁護士は、政府が決めた基本方針で機能阻害行為が具体的に示されておらず、基地監視活動が干渉される可能性があると説明。「運動が萎縮しないように、弁護士として工夫をしていきたい」と話した。