屋比久、メダル届かず5位 レスリング全日本選手権グレコ77キロ


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 レスリングの全日本選手権第3日は24日、東京・駒沢体育館で行われ、男子グレコローマンスタイル77キロ級で東京五輪3位の屋比久翔平(浦添工高―日体大―日体大大学院出、ALSOK)は3位決定戦に敗れ5位となった。女子の50キロ級で東京五輪金メダルの須崎優衣(キッツ)、57キロ級で南條早映(東新住建)が優勝した。男子フリースタイル57キロ級は、2016年リオデジャネイロ五輪2位の樋口黎(ミキハウス)が頂点に立った。

 女子の53キロ級準決勝で東京五輪覇者の志土地真優(ジェイテクト)が奥野春菜(自衛隊)に敗戦。藤波朱理(日体大)は公式戦の連勝を105に伸ばし、25日の奥野との決勝に進んだ。62キロ級は東京五輪女王の川井友香子(サントリービバレッジソリューション)が準決勝で元木咲良(育英大)に屈した。元木は決勝で世界選手権優勝の尾崎野乃香(慶大)と闘う。

 男子はフリースタイル65キロ級で東京五輪王者の乙黒拓斗(自衛隊)、グレコローマンスタイル60キロ級では同五輪2位の文田健一郎(ミキハウス)が決勝進出。

 五輪階級は今大会と来年6月の明治杯全日本選抜選手権で連勝すれば同9月の世界選手権代表となり、勝者が異なる場合はプレーオフを実施。世界選手権で3位以内に入れば、パリ五輪代表に決まる。


須崎、絶対女王の証明 女子50キロ級、攻守で圧倒

女子50キロ級決勝 吉元玲美那(手前)と対戦する須崎優衣=駒沢体育館

 絶対女王が光り輝いた。女子50キロ級の須崎は決勝で、昨年の世界選手権優勝の吉元に完勝。2連覇が懸かるパリ五輪の代表争いの本格スタートを飾り「また五輪の選考会が始まった。わくわくした気持ちが強い。まずは第一歩」と声を弾ませた。

 緻密な闘いを展開した。片足タックルから押し込んで2点を先制すると、反撃してきた吉元のタックルを返して2点追加。ローリングも決めた。攻守で吉元を封じ、8―0で勝利。軽く跳びはねて喜びをかみしめた。

 今年は世界選手権など全16試合で失点は1試合だけ。6月の全日本選抜選手権決勝で吉元に許した2点だった。「相手の動きを見て、失点してしまった。絶対に最後まで攻めようと思った」とミスは繰り返さなかった。

 東京五輪の翌年も無敗で駆け抜けた。この1年の漢字を成長の「成」と表現。日本女子をけん引した吉田沙保里や伊調馨のように、負けることが注目されるエースとなった。「プレッシャーはなく、どんどん楽しくなっている。まだ見たことがない景色を見たい」と目標を掲げた。

(共同通信)