スパイスの味わいから広がる世界 子どもの居場所で料理体験ワークショップ 沖縄・那覇


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子どもたちにスパイスチキンの作り方を教える大野峰志さん(左から2人目)=20日、那覇市のにじの森文庫

 【那覇】北谷町の料理体験スタジオ「C KITCHEN」(シーキッチン)と子どもの居場所「にじの森文庫」は20日、那覇市松川のにじの森文庫でスパイスを使った料理体験・スパイスワークショップを開催した。シーキッチンの大野峰志(みねし)オーナーは「食への寛容さは物の見方の寛容さにつながる」との思いで、子どもたちに体験を届けた。

 大野さんは北谷町アラハビーチ近くに料理スタジオを構える。観光客や外国人客を対象にスパイスを使った料理教室を開いている。参加費の一部を子どもの居場所などの支援に当て、子どもたちへの料理体験も提供している。

 ワークショップには、子どもたち5人が参加し、スパイスチキンを作った。スパイスの香りに「臭い」と反応する子もいたが、「『おいしくない』でも体験して知ることで他の文化や世界を受け入れられる」と子どもたちの将来を見据える。

 チキンに蜂蜜やチョコなども入れて味を付けた。子どもたちは「おいしくなさそう」と不安げだったが、出来上がった料理を食べて「初めての味。おいしい」と笑顔を見せた。「(スパイスの)香りは嫌だったけど、混ぜてみたらおいしかった」と充実した体験をした。

 大野さんは「最初は受け入れられなくても最後はおいしく食べてくれた。価値観が広がるきっかけになるといい」と振り返った。
 (金盛文香)