東海大福岡の伊良部、先発で勝利に貢献 石垣市出身、初の4強導く バスケ・ウインターカップ


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東海大諏訪―東海大福岡 準々決勝、司令塔としてチームを引っ張る東海大福岡の伊良部由明=26日、東京体育館(謝花史哲撮影)

 バスケットボールの全国高校選手権第4日は26日、東京体育館で行われ、女子準々決勝で石垣市出身の伊良部由明(石垣中出)が所属する東海大福岡が93―67で東海大諏訪に勝利し準決勝に進んだ。伊良部は先発し2得点、5アシストを決めるなど勝利に貢献した。岐阜女が今夏の全国高校総体2位の大阪薫英女学院に69―66で競り勝ち、前回準優勝で高校総体覇者の京都精華学園、札幌山の手(北海道)も4強入りした。

 男子3回戦では高校総体4強の藤枝明誠(静岡)が89―61で桜丘(愛知)に勝ち、同4強の中部大第一(愛知)は宇都宮工(栃木)を117―77で下して8強入り。東海大諏訪(長野)は実践学園(東京)を82―64で退けた。高校総体王者の福岡第一や同準優勝の開志国際(新潟)、大会2連覇を狙う福岡大大濠なども準々決勝に進んだ。福岡第一の崎濱秀斗(北中城小―西福岡中出)は16得点、宮平健太郎(玉城中出)は5得点を挙げた。開志国際の平良宗龍(金城中出)は先発出場した。

伊良部躍動 初の4強導く

 全国総体で初の4強入りを成し遂げた東海大福岡の司令塔を務める2年の伊良部由明(石垣中出)が、全国選手権大会でも輝きを放っている。準々決勝の東海大諏訪戦で主力として躍動し総体に続く4強入りを決めた。3回戦では40分間フル出場し、4連覇を目指す強豪の桜花学園に逆転勝ちにつなげる立役者となった。

 全国で戦えるチームづくりを目指していた宮﨑優介監督に才能を見いだされた。チームの雰囲気にも「自分は合っている」と進学を決めた。

 チームの武器は高さを生かしたインサイド攻撃だ。セネガル出身の留学生で197センチのファール・アミナタ(3年)を中心に長身選手がゴール下に走り込んで勝負できることが強み。

 ただそれはボールを運び、供給できるガード陣がいてこそ。2年で主力に起用した伊良部について、宮﨑監督は「すごく純粋。バスケが本当に好きなんだなと感じさせるところが一番の魅力」とひた向きさを評価する。気持ちだけでなく「デザインする力がある」と技術面も太鼓判を押す。

 それは桜花学園戦で発揮。残り10秒を切って3点リードされた状況に本来はタイムを取って敵陣コートで再開する場面で、そのまま伊良部のコントロールに任せた。伊良部は指揮官の期待に応え、得点機を演出し勝利をたぐり寄せた。

 チームの強さを引き出す役割が「自分にある」と伊良部。4年連続4度目の出場で初の4強入り。優勝まであと二つ。沖縄からの期待も背に「気を引き締め全国制覇をつかみたい」と固い決意で挑みにいく。
 (謝花史哲)