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部活動の主人公である生徒が、部活動のあるべき姿や目指す方向性を協議する第1回の高校生検討委員会(県教育庁主管)が19日に始まった。参加した生徒20人は、それぞれが考える部活動の意義を共有。顧問との関係など、抱える悩みも浮かび上がった。
検討委員会の発足は、部活動の顧問から執拗(しつよう)な叱責(しっせき)を受け、2021年1月にコザ高校2年(当時)の運動部男子生徒が自ら命を絶った問題を受け、暴力や暴言、ハラスメントのない部活動の環境を整える狙いがある。「部活は私たちのもの」を合言葉に、最終的には、県高校生部活動ビジョン(仮称)を策定する。県教委担当者によると、現時点ではビジョンを施策に反映させる予定はないという。
議論に入る前に沖縄大の石原端子准教授が発足の経緯を説明した。男子生徒が自殺した問題を受け「県教育委員会でも部活動改革推進委員会が立ち上がりいろいろ考えたが、大人たちが考えても(暴力や体罰などが)なかなかなくならない」と指摘。「大事な真ん中にいるみなさんの声が分からないからだ」として協力を求めた。
話し合いが始まると、生徒たちは“本音”を語りあった。ある生徒は「指導者との関係がめんどくさい」と吐露。声を荒らげることが多い顧問が指導に来ると「部員はしーんとなる。競技自体が面白くない」と打ち明けた。別の生徒は「顧問と外部コーチの仲が悪い。意見が異なるとけんかになって、生徒が困る」「顧問への言葉の伝え方や受け取り方に悩みがあるが『仕方ない』で終わらせている」と語るなど、顧問との関係性の悩みが多数聞かれた。
一方「顧問が生徒の意見を尊重してくれて、部活動の目標設定などを任せてくれている」など、自主的な活動を進める高校も複数あった。
終盤は、策定予定のビジョンを誰に向けて発信したいかを協議した。部員や指導者、保護者のほか、地域の人などさまざまな意見が上がった。来年1月、2回目以降の検討委で意見を集約していく。
(吉田早希)