琉球放送が優秀賞 文化庁芸術祭賞テレビ・ドキュメンタリー部門 日の丸を焦点に復帰を問う


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「還らざる日の丸~復帰50年 沖縄と祖国~」の一場面。日の丸を手に持つ知花昌一さん(琉球放送提供)

 文化庁が優れた音楽や映像作品を選ぶ「2022年度文化庁芸術祭賞」のテレビ・ドキュメンタリー部門優秀賞に琉球放送のドキュメンタリー番組「還らざる日の丸~復帰50年 沖縄と祖国~」が選ばれた。1987年の海邦国体会場で日の丸を焼き捨てた知花昌一さんに焦点を当てた。

 沖縄で変遷する日の丸の象徴的な意味をたどり、本当の「復帰」が果たされていないことを訴える構成などが評価された。担当の野沢周平ディレクター(44)は「復帰50年という節目を祝えない沖縄がある。日の丸という視点から淡々と歴史をたどり、その理由を伝えたかった」と番組に込めた思いを話した。番組は5月と10月に県内で放映された。

 テレビ・ドキュメンタリー部門の大賞には、日本放送協会のBS1スペシャル「正義の行方~飯塚事件30年後の迷宮」が輝いた。同部門の優秀賞は他に、東海テレビの「はだかのER 救命救急の砦(とりで)2021―2022」、BS―TBSの「通信簿の少女を探して~小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今」が選ばれた。