恩納村長選、1月10日告示 どうする?物価上昇、定住促進…立候補予定2氏に聞く 1月15日投開票


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 1月10日告示、同15日投開票の沖縄県恩納村長選に向け、現職で3期目を目指す長浜善巳氏(57)と、新人で元村議の外間勝嘉氏(63)が立候補を表明している。選挙戦は2氏の一騎打ちとなる見通しだ。重視する政策などについて聞いた。(聞き手 増田健太)


若者定住へ住宅整備 長浜善巳氏

―出馬を決意した理由を。

 2期8年間、村民の声を聞きながら、村民と共創の村づくりをやってきた。その基本理念をもって3期目に向かいたい。

インタビューに答える長浜善巳氏=23日、恩納村

―最も重視する政策は何か。

 若者が少なくなってきていることから、若者の定住化、子育て支援、女性の活躍の推進だ。

―具体的には。

 恩納村はリゾート地だが、若者が暮らせる住宅が少なく、村外に住んでいる人が多い。村営団地のほか、民間の力を借りて住宅を整備し、若者を呼び寄せて地域の行事を担ってほしい。高校生まで医療費無償化を続け、給食費の完全無償化を進めたい。学童の整備を進め、保護者が働きやすい環境をつくる。

―新型コロナ・物価対策は。

 これまで村内の各種団体の意見を聞いてやってきた。これからも声を聞きながら、コロナ対策を徹底してやっていく。次年度も農業・漁業を支援できる予算編成をやる。コロナの克服が選挙の争点になる。

―産業支援、観光振興は。

 村内には多くの生産物がある。地産地消を進め、観光から各産業に波及する仕組みづくりを進めたい。ホテルに農産物を使ってもらい、6次産業化を進める。コロナで疲弊した観光業が元気を取り戻さなければいけない。これまで通り、観光関連施設の意見を聞き、どのような経済対策を行うか考えていく。

―これまでの村政の評価は。

 村民はじめ区長、議員の皆さんと一緒になって共創の村づくりができた。私だけでなくみんなの声を聞きながらやれたことが良かったし理解が得られた。中学校の統合も実現した。15字とも良い関係を築いている。これからも職員と一丸となって、村政運営を進めていきたい。

 ながはま・よしみ 1965年7月生まれ、村仲泊出身。琉球大学卒。2006年から村議を2期務めた。15年に村長に初当選し、現在2期目。

 


村独自で物価高支援 外間勝嘉氏

―出馬を決意した理由を。

 農業関係の仕事をし、2期8年間、村議会議員を務めた。村政の在り方を見ながら、村をステップアップしていかなければいけないと思い、立候補を決めた。

インタビューに答える外間勝嘉氏=20日、恩納村

―最も重視する政策は何か。

 コロナと物価上昇で苦しんでいる全ての村民、企業への支援をしていく。

―具体的には。

 農林水産業の支援をする。コロナの影響で消費が低迷し、燃料、資材価格が高騰している。今まで通り運営できるように、国と調整をしながら、村独自の予算も使って支援していく。子どもたちへの支援も継続する。

―定住促進、子育て支援は。

 村有地を活用し、住民が低価格で住める住宅の整備、また住宅が造れるような土地の整備に当たる。小中学校までは通学バスがあるが、高校生への通学費、バス交通費への補助をやっていきたい。生まれた子どもに支援金を助成するのも一つの策だ。定住促進が選挙の争点になる。

―産業支援、観光振興は。

 地の利を生かした恩納村は、世界から注目されるトップクラスの観光地域だ。長期滞在のリゾート地にするため、空手の研修施設を誘致する。恩納の歴史を教育や観光につなげる。農家の中に、また地域の文化に観光客が入っていけるような事業を、国・県と連携して進める。

―現村政への評価は。

 定住促進は村営住宅の整備にとどまる。現村長は議員との懇親がないため、今後の村政は新人とも連携し、村長だけでなく議員と共に進めていく。花を売ってきた経験から人付き合いには自信がある。村内15字の皆さんと話をし、均衡ある発展を目指していく。

 ほかま・かつよし 1959年1月生まれ、村喜瀬武原出身。県立農業研修センター修了。2003年から県花卉農協組合長3期、14年から村議を2期務めた。