バイオ産業で振興加速へ 県内組織「地域コミュニティ」に認定


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
地域バイオコミュニティ認定を発表する(左から)県の砂川健氏、OISTの市川尚斉氏、琉球大の瀬名波出氏、トロピカルテクノプラスの岩本竜吾氏=28日、県庁

 国のバイオ戦略に基づく「地域バイオコミュニティ」に、沖縄県や琉球大学、沖縄科学技術大学院大学(OIST)、県内企業や団体など64機関で組織する「沖縄バイオコミュニティ」が26日付で認定された。

 認定により、補助金や交付金などの国の支援を受けやすくなるほか、他地域のバイオコミュニティの研究成果や情報共有も可能になる。県商工労働部の砂川健産業雇用統括監は「沖縄のバイオ産業振興を加速させることができる」と期待した。

 県内のバイオ産業は、企業や研究は多いが、研究開発人材や経営人材の不足、企業規模の小ささ、民間資金の不足などがあり、大きな経済効果に至っていないという。

 コミュニティ形成で関係機関がつながることで、課題を解決し、付加価値の高い技術や製品を創出。投資や人材を呼び込み、さらに新たな研究開発やスタートアップ企業を生み出すことを目指す。

 県はバイオ関連産業の経済波及効果を2020年の187億円から30年には260億円に拡大させることなどを目標にしている。

 国はバイオ関連市場を30年時点で総額92兆円規模とすることを目指し、バイオ戦略を策定している。人材や投資を呼び込み、市場に製品・サービスを供給するため、地域に応じた特色ある連携体制を全国で形成していくとしている。

 地域バイオコミュニティ認定は沖縄を含め6地域。沖縄は亜熱帯特有の生物資源やOISTの参画、アジアと日本をつなぐ「ハブ」であるという地理的優位性が評価され認定された。 (玉城江梨子)