那覇周辺の「市街化区域」拡大へ アパートなど集合住宅も可能に 西原・豊見城など 人口増、インフラ整備に期待 20年ぶりの大幅拡大


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 沖縄県は11月から来年3月にかけて、那覇広域都市計画の区域区分を見直し、新たに西原町や豊見城市など那覇市周辺の市町村を中心に、計275ヘクタールを市街化区域に編入する。市街化調整区域の一部では一戸建ての自己用住宅のみが建設できる地域もあるが、市街化区域への編入によって建築制限が緩和され、アパートなどの集合住宅の建設も可能となる。土地利用が大幅に緩和されることで人口が増え、公共施設やインフラ整備の促進も期待される。

 本島中南部の11市町村で構成される那覇広域都市計画区域は無秩序な市街地形成を防止する観点から、市街化区域と開発を抑制する市街化調整区域に区分けしている。11月現在、市街化区域は9719ヘクタールとなっている。市街化区域の定期見直しは初回の1983年から7回目で、200ヘクタール以上の拡大は93年以来で、約20年ぶり。将来的には那覇市周辺の広範囲で市街地の拡大につながる可能性もある。

 今回の定期見直しで市街化区域に編入された地域は西原町翁長地区や豊見城市の座安・渡橋名地区といった、昔から集落が存在するなど、いずれも既に住宅が一定数存在しているエリアだ。

 今回最大の編入となった西原町の担当者は「市街化区域の拡大で商業機能を含めた人口増を期待している」と述べた。豊見城市の担当者は「まだまだ人口増加が見込まれるので、市街化区域の拡大が必要」と述べた。

 県は今後、那覇広域の区域内で488・8ヘクタールの市街化区域への編入を予定している。一方で那覇広域内の中城村や北中城村は宅地の確保に限界があるとして、那覇広域から離脱する議論も浮上している。県は「両村の街づくりを尊重しつつ、無秩序な市街化を防止するため一緒に連携しながら広域的な街づくりを目指したい」としている。

(武井悠)