「戦争ではなく平和の準備を」ウクライナの子どもたちと交流したNPO理事長が呼び掛けたこと 沖縄・名護で講演


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「ウクライナの子どもたちからのメッセージに耳を傾けて」と呼び掛ける小玉直也さん=22日、名護市中央公民館

 【名護】名護市中央公民館研修室で22日、ウクライナの子どもたちからのメッセージを聴く会が開かれた。国内外の被災地支援に取り組むNPO法人アースウォーカーズ(福島市)の小玉直也理事長(51)が講演し「『武器が欲しい』とのメッセージを託す子どももいて衝撃を受けた。日本から支援を継続しつつ、戦争ではなく平和の準備をしよう」と軍拡競争に警鐘を鳴らした。

 小玉さんは2022年9月、群馬県太田市のぐんま国際アカデミー(GKA)の生徒たちが書き、ウクライナの子どもたちに送った励ましの手紙をキーウの学校に届けた。戦火の中で笑顔のなかった子どもたちは、日本の高校生からの手紙に顔をほころばせ「支援に感謝」「ウクライナと日本は一つです」などの返事をスマートフォンの翻訳機能などを活用して書いたという。

 小玉さんは「日本の生徒たちの手紙がウクライナの子どもたちや教師を笑顔にした。非常に感慨深かった」と振り返った。

ウクライナの子どもたちと交流する小玉直也さん(手前左)=9月、ウクライナ・キーウ(小玉直也さん提供)

 一方、小玉さんは「ロシアに土地を奪われ、占領されたままでいいと思っている人は一人もいなかった」と市民らの思いに触れ、「一度戦争が始まってしまうと『戦う』という空気に大人も子どもも飲み込まれてしまう。日本にいるわれわれができることは、軍事力を強化して緊張を高めることではなく、軍縮に向け周辺国と協力し合うことだ」と訴えた。

 小玉さんは1997年の米軍普天間飛行場移設に伴う海上基地建設の是非を問う名護市の市民投票にボランティアとして参加したことに触れ、「物事はすぐには思い通りには動かないかもしれないが、いずれ戦争のない世界になると信じている。希望を失わずに次の世代にバトンを渡すことが大事だ」と強調した。

(松堂秀樹)