「建設業のDX化」を支援 沖縄総合事務局内に拠点 ウエブカメラで遠隔での現場確認など体験


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沖縄総合事務局が開設したDXルーム=2022年12月22日、那覇第2地方合同庁舎

 沖縄総合事務局はこのほど、県内のインフラ分野に関するデジタル・トランスフォーメーション(デジタル変革、DX)を推進するため那覇第2地方合同庁舎にある同局内に「沖縄インフラDXルーム」を開設した。DXに関する人材育成や情報発信の拠点として、さまざまな課題解決に向けた取り組みを強化していく。

 インフラ整備を担う建設業において、高齢化が進行している。沖縄総合事務局によると2017年の統計では就業者の年齢構成では60歳以上が24・6%と最も高く、29歳以下は11%程度にとどまる。同年の全国のデータでも、全産業と比較して年間300時間以上勤務しており、90%以上が週休2日を取得できていない現状がある。

インフラDXルームの開設をアピールする沖縄総合事務局の畠中秀人次長

 担い手の確保や労働環境を改善させるには生産性の向上が求められ、同局はデータやデジタル技術を活用した働き方改革の手段としてDXに注目し、拠点を設けることで環境整備に取り組む。

 DXルームでは、3次元モデルを導入して建設の効率化を図る「BIM/CIM」の研修や、ウェブカメラで現場を確認する遠隔臨場の実施、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)機器を用いたインフラDXの体験、サテライトオフィスやウェブ会議での活用などを想定する。

 開設に当たって同局の畠中秀人次長は「人手不足や働き方改革の取り組みを進めないと、現場がやっていけない環境になっている。DXという手法で現場の生産性向上を図っていきたい」と意義を強調する。「3次元データを活用することで一般住民にも事業を分かりやすく説明することもできる」と具体的な活用を挙げながら、事業者や自治体などに活用を呼び掛けた。
 (小波津智也)