与那国の陸自司令部を地下化、防衛省が検討 ミサイル攻撃の際の被害減らし戦闘の継続狙う 沖縄


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与那国島

 【東京】防衛省が陸上自衛隊与那国駐屯地の司令部の地下化を検討していることが4日までに分かった。複数の関係者が明らかにした。ミサイル攻撃などを受けた場合に被害を減らし、戦闘を続けられる能力を高める狙いがある。防衛省は与那国駐屯地への地対空誘導弾(ミサイル)部隊配備に向け、駐屯地拡張も計画している。

 政府は2022年12月に閣議決定した国家安全保障戦略など新たな安保関連3文書でも、防衛力の抜本的強化の一環として司令部など重要施設の地下化を掲げている。

 県内では本年度中に開設予定の石垣駐屯地も地下に一部施設を造る設計となっており、関係者によると、有事には作戦室としての使用が想定される。防衛省は陸自那覇駐屯地においても23年度予算案で司令部地下化に向けた基本設計・調査費用に約1億円を計上。建て替え予定の那覇病院も一部地下化を検討する。

 防衛省によると、空自那覇基地の司令部はもともと地下にあり、今後、改修を予定している。県外では陸自健軍駐屯地(熊本県)や海自舞鶴地方総監部(京都府)の司令部地下化も検討している。
 (斎藤学、明真南斗)