「人権を侵害する形で展示されたのは残念」 平良孝七展、妻・芳子さんが展示の修正求める


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記者会見で展示の修正を求める故・平良孝七さんの妻の芳子さん(中央)=5日、県庁

 県立博物館・美術館で開催中の写真展「平良孝七展」で展示パネルの一部に「人権上問題がある」として同館に展示の修正を求めている「平良孝七展の修正を求める会」が5日、県庁で記者会見した。写真家の故・平良孝七さんの妻・芳子さん(76)=那覇市=が同席し「被写体となった方の人権を侵害する形で展示されたことは残念だ。(問題となった2枚のパネルを)取り下げてほしい」と述べた。同会は県と県議会に、展示の修正を同館に働きかけるよう文書で申し入れた。

 同展の第1章は沖縄革新共闘会議が編集した写真集「沖縄 百万県民の苦悩と抵抗」(1970年)からの複写展示。当初、キャプションに「売春婦」「混血児」とあり、被写体の顔が判別できる写真のパネルが、刊行当時のキャプションとともに展示された。同館は昨年12月下旬にキャプションを覆い、人権上の配慮に関する説明文を加えた。

 同会は問題となった2枚を含む第1章の複写パネルを新たにネガからプリントした写真に差し替えるよう求めたが、同館は応じなかった。

 芳子さんは「被写体の方の人権を傷つけ、どうおわびし、償えばいいのか分からない。展示が修正されないことに憤慨している。県には二度とこういうことが起こらないようお願いしたい」と述べた。同館から展示方法などについて「詳しい説明はなく、人権に関する指摘があることも聞いていなかった」という。

 同会によると芳子さんは、手紙で同館に修正を求めている。
(宮城隆尋)