平良孝七展、パネル撤去 県博、「人権問題」抗議受け3枚


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 県立博物館・美術館で開催中の平良孝七展で展示パネルの一部に「人権上問題がある」と指摘を受けている件で、同館は7日までに展示会場から3枚のパネルを取り下げた。パネルがあった場所には「尊重されるべき権利が危ういものとなる恐れがあった」などとする説明文を加えている。

 取り下げられたのはキャプションに「売春婦」「混血児」などとあり、被写体の顔が判別できる状態の写真が複写されたパネル2枚と、タイトルに「混血児」という言葉があった写真1枚。同館は昨年12月下旬にキャプションを覆っていたが、今回パネルそのものを取り下げた。

 新たに加えられた説明文には「それぞれの人々が生まれながらにして尊重されるべき権利が危ういものとなる恐れがあった」「議論を鑑み、写真を取り下げることとしました」などとある。

 これらのパネルを巡っては県内の写真家らでつくる「平良孝七展の修正を求める会」や、故・平良孝七さんの妻の芳子さん(76)らが同館に取り下げなどを求めていた。

 同展の第1章は沖縄革新共闘会議が編集した写真集「沖縄 百万県民の苦悩と抵抗」(1970年)からの複写展示。同会は問題となった2枚を含む第1章の複写パネルを全て新たにネガからプリントした写真に差し替えるよう求めたが、同館は応じていない。
 (宮城隆尋)