新成人の牛主たち「闘牛界に貢献する」沖縄、うるま市の闘牛大会で抱負


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新成人となる闘牛の牛主の(右から)玉村冬吾さん、赤嶺陸飛さん、長堂悠人さん、當山彩聖さん、古謝未旺李さん=12月、石川多目的ドーム

 【うるま】9日に迎える成人の日を前に、新成人を祝うイベントなどが沖縄県内各地で開催されている。2日にうるま市の石川多目的ドームで行われた新春華牛大闘牛大会では、新成人の牛主5人が自らの愛牛を出場させた。それぞれ牛主になった背景は異なるが、思いは共通している。「闘牛を盛り上げていきたい」「魅力をもっと知ってほしい」と抱負を語った。

 玉村冬吾さん(20)=今帰仁村=が闘牛にのめり込んだのは中学生の時。友人と見に行った闘牛大会で、角と角がぶつかる衝撃音に圧倒された。高校卒業後、働いてためた給料で牛を購入した。「1勝でも多く育てた牛を勝たせたい」と意気込んだ。

 中学時代、家に牛舎がある先輩がきっかけで闘牛好きになったという古謝未旺李さん(20)=うるま市=。「牛は愛情をかけた分だけ(取組で)応えてくれる」と魅力を語る。

 畜産業を営む長堂悠人さん(19)=うるま市=は150頭以上の牛がいる家で育った。闘牛は本業とは別で「好きだからやる趣味」だ。「闘牛は昔から沖縄で盛んだった。祖父から続いてきた文化を受け継いでいきたい」と力を込めた。

 親戚が牛舎を持ち、幼少の頃から闘牛に親しんできた赤嶺陸飛さん=うるま市=(20)。全力で闘い、手を抜かないのが牛の魅力だと話す。「闘牛を知らない人に見てもらい、広めていきたい」と意欲を見せた。

 牛主で構成される「平成若猪会」の会長を父に持つ當山彩聖さん(20)=うるま市=は「闘牛を通じてさまざまな人とつながりができた」と振り返る。「闘牛のたくさんのおじちゃんたちに育ててもらった。これから闘牛界に貢献していきたい」と誓った。

(古川峻)