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「やりたいことなんでもチャレンジしたい」作品も将来も自由に ミラクルくん(中学生イラストレーター)が描く未来<夢かなう>


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展示会で作品とともにポーズを取るミラクル(城間ゴンタ)くん=2022年11月7日、宮古島市役所

 小学生イラストレーターとしてアーティストや企業とのコラボ作品制作や個展の開催など多方面での活躍を見せてきたミラクルくん(13)=本名城間ゴンタさん、豊見城市。中学生になった昨年は大きな飛躍の年となった。

 東京、大阪、宮古島などでの個展開催、ドキュメント九州(フジテレビ系列)でのドキュメンタリー番組放送、サッカー元日本代表の本田圭佑選手との対談も実現した。10月から11月にかけて開催された「美ら島おきなわ文化祭2022」公式ポスターのイラストを手がけた。

 父はFC琉球や琉球ゴールデンキングスのマスコットキャラクターデザインも手がけるデザイナーの城間英樹さん。父の影響もあり、2人の姉とともに子どもの頃から絵を描くようになった。9歳のときに描いたイラストを父がSNSに投稿したところ話題になり、本格的に制作活動を開始した。

 常識に縛られない独特の自由なタッチが特徴。絵画教室やレッスン受講の経験はなく全て独学で取り組んでいる。細かい下書きはほぼなく、心の赴くままにペンを走らせる。鮮やかな色を使うことが多く、平凡なモチーフでもミラクルくん流にポップなアートに変身させる。

 小学生の頃は作業中に集中が切れてしまうこともあったが、中学生になり、集中できる時間が長くなり、集中力も増した。学業と両立しながらの制作活動だが、家族や周囲の人たちの協力を受けながらマイペースに続けている。「絵を描くときのルールは心をこめて描くこと。対象になる物をよく見て集中して描く。心がこもっていないと見る人に伝わらない」と話す。制作時のルーティンワークとして、毎回必ず声に出して唱えている。

 「最初のうちはシンプルな構図しか描けなかったけど、少しずつ上達して複雑な絵も描けるようになってきた。たくさんの人のサポートのおかげで、普通なら会えないような人と会えて、他の中学生ではできないような経験ができている」と感謝の思いを口にした。

 将来は絵だけにこだわらず、さまざまなことに挑戦したいと夢を語る。「プロゲーマー、ユーチューバーにもなりたい。一つの仕事にこだわらず、やりたいことにはなんでもチャレンジしたい」と話す。

 今年もプロ野球球団やプロサッカークラブ、ファッションブランドとのコラボなどすでに複数の大型プロジェクトが進行中だという。海外での展示会も視野に入れ、準備を進めている。「沖縄も好きだけど、できれば外に出たい。どちらかというと静かな場所よりは騒がしい方が好きだから、もう少し大きくなったら東京にも住みたいし、将来はニューヨークにも行きたい」と視線の先はすでに沖縄の外へ向かっている。

(普天間伊織)