「基地返還さらに厳しく」 周辺首長、説明を求める声 沖縄 日米弾薬庫共同使用拡大で


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米軍嘉手納基地(資料写真)

 【中部・恩納】ワシントンで開かれた2プラス2で、米軍嘉手納弾薬庫地区について自衛隊との共同使用を拡大することが合意されたことを受け12日、周辺自治体の首長からは「さらに返還が厳しくなった」「負担増が懸念される」と反発する声が上がった。一方、詳細な内容が示されていないことから「説明を求めたい」と注視する姿勢も示された。

 嘉手納町の當山宏町長は「中身が把握できない状況で考えは示せない。影響を見極めたい」とした上で「嘉手納基地以北は返還の話が出ておらず、(返還の)道筋が見えていない。自衛隊の共同使用拡大で、さらに返還は厳しくなったという印象だ」と懸念を示す。

 沖縄市の桑江朝千夫市長は「防衛省から今朝連絡を受けた」とし「市としては市民の安心安全が大変重要だ。詳細事項が決まり次第、防衛省には説明などを求めていく」とコメントした。

 読谷村の石嶺伝実村長は「村では(基地の)過重負担がある中で、共同使用の拡大はさらなる負担が懸念される」と眉をひそめる。「対中国を想定した動きだと思うが、沖縄戦の経験からも外交努力で国際紛争を解決してほしい。動静を見極めて、説明などを求めるか検討する」とした。

 うるま市の中村正人市長は「詳細な確認はしていない。国からの説明を伺っていないため現時点で申し上げることはできない」ととどめた。恩納村の長浜善巳村長は「協議の内容を精査した上でコメントしたい」とした。
 (石井恵理菜まとめ)