城北中の上原さん、書道展で全国最高賞を受賞 国内外1万5101点から選ばれる 大東文化大主催


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「やってて良かった」と受賞を喜ぶ城北中2年の上原おとさん。左は受賞作品=13日、那覇市首里の幸喜書道教室

 那覇市立城北中2年の上原おとさん(14)がこのほど、大東文化大学主催の第63回全国書道展で最高賞の文部科学大臣賞に輝いた。国内外の計1万5101点の中から選ばれた。文科大臣賞は全部門で4人おり、中学の部は上原さん1人。受賞に「出したら取っちゃった」とマイペースな感想。「きょうだいが全員やっていたから」と親に連れられて始めた書道だが、今では「楽しい」と自分だけの書道を追求する。

 受賞作品は「徳は広く、尽きることはない」という意味の「徳洽無疆(とくこうむきょう)」。「画数が多い字の方が得意」とこの文字に決めた。しかし「あまり気に入っていない。周りの方がうまい」と評価は自分に厳しい。書くときに意識することは「筆に墨を多くつけて、太く書く」ことだ。これまでは線が細く弱かったというが、ほかの作品と並べても目立つように稽古を重ねてきた。

 小学1年生から書道を始めた。きっかけは「きょうだいが通っていたから」。続けていたのも「(行かないと)親にしかられるから」。上原さんは左利き。右手で筆を持つことが主流の毛筆は右手で、鉛筆やペンなどの硬筆は左手と使い分ける。始めてすぐは戸惑いもあった。それでも教室を休むことはほとんどなく、着実に実力を付けていった。

 中学生になり気持ちに変化が出てきた。ほめられることも増え「伸びた感じがする」と自身の成長を感じている。「きれいな字が書けるのが楽しい」と生き生きと書道に打ち込む。受賞に「やってて良かった」と誇らしげだ。教室には同年代の生徒もいるが「ライバル視したくない」という。自分のスタイルを探求し、これからも書き続ける。
 (金盛文香)