日本有数のリゾート地を誇る恩納村、住民の暮らしや自然環境どう守る? 村長選で3選した長浜善巳氏に聞く


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3選を果たし、インタビューに答える長浜善巳村長=16日、恩納村役場

 任期満了に伴う15日投開票の恩納村長選挙で、3期目の当選を果たした現職の長浜善巳氏(57)に16日、今後の村政運営について聞いた。 (聞き手 増田健太)

 ―当選の受け止め、勝因は。

 「実績や取り組みに賛同していただいたと思う。女性や若者の支援があった。新型コロナ対策に共に取り組んだ村民や各団体との信頼関係も強かった」

 ―特に力を入れたいことは。

 「村の課題である子どもの減少に対し、若者の定住化、子育て支援を進める。公共的な団地、民間を含めた住宅施設の充実を図りたい。子育てしやすい環境をつくる」

 ―どのような子育て支援を進めるか。

 「三つある村立保育所を認可保育所に移行することを検討し、民間の力を借りながら充実していく。給食費の無償化、0~18歳の医療費の無料化は財源をしっかり確保して続ける」

 ―新型コロナで打撃を受けた観光や農林水産業への対応は。

 「これまでも商品券の発行で支援をしてきた。どのような要望があるのか聞きながら経済対策を進める。恩納村は農漁業が盛んで、同時にリゾートホテルが多い。村内で作られたもののブランド化や地産地消を進め、観光客に食べてもらう」

 「SDGs(持続可能な開発目標)を推進し、サンゴの村を宣言している。日本有数の観光リゾートであるのは村の自然を守ってきたからこそだ。海だけではなく山も保全し、自然環境を守ることが村が生き残るための方法だ」

 ―OIST(沖縄科学技術大学院大学)との連携は。

 「OISTは企業誘致を進め国内外から投資を呼び込もうとしている。それに伴う産業クラスターの拡大を、県と共に重視したい。村民の働く環境も広がると期待している」

 ―村政への抱負を。

 「自分たちの村は自分たちで盛り上げていこうという温かい村民がたくさんいる。私が先頭に立って、一緒になって村政運営を進めていきたい。女性の活躍も進んでいる。女性を登用し、女性が働きやすい環境づくりを進める」


 ながはま・よしみ 1965年7月生まれ。村仲泊出身。琉球大卒。2006年から村議を2期務めた。15年の村長選に初当選。19年は無投票で再選し、現在2期目。