DeNA・神里が盗塁増へ走り追求 マスターズ陸上世界記録の譜久里さんに師事 故郷沖縄で汗「チームをけん引したい」


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 プロ野球の横浜DeNAベイスターズの神里和毅(糸満高―中央大―日本生命)が走力強化のため、新年から故郷の沖縄で汗を流している。世界マスターズ陸上400メートルリレーで優勝経験のある譜久里武さんから2年連続で指導を受けている。神里は「自分の足でチームを引っ張りたい」と今季に挑む。

譜久里武さん(右)から走る姿勢などの指導を受ける横浜DeNAベイスターズの神里和毅=12日、豊見城総合公園陸上競技場

 チーム有数の俊足の神里だが、2021年シーズンは盗塁4と結果が残せず「何か変わらないといけない」と危機感を覚えた。「走ることをもっと追求したい」とその年のオフ、父・昌二さんと交流のある譜久里さんを紹介してもらい、フォームなど基礎的な指導を受けた。この時は1日だけだったが、全力を出さずとも、速くなっていると体感した。一方、シーズンに入ると、出塁が少なかったこともあり、継続的に成果を出すことはできなかった。

 今オフは週に一度のペースで譜久里さんの指導を受けている。トップスピードを上げる、人がエネルギーを出せる限界と言われる6秒間で最大スピードを出す、効率のよい加速―の3点を中心に、より技術的で実践的なトレーニングに励んでいる。

 譜久里さんは、地面に力を伝えるための足の角度や手の振り方などを身ぶり手ぶり、時には実践しながら伝えていく。

 練習日、60メートルを3本など短距離で少ない回数を走るメニューをこなした神里は「酸欠になるくらいクラクラしている。乳酸もしっかりたまっている」と表情は険しくも、手応えは得ているようだった。

 シーズン中でも練習を継続できるようにメニューも考えているという。譜久里さんは「身体能力はあるので、あとは私が持っている知識・技術を教えたい。そして、盗塁王を目指してほしい」と期待を込める。

 この2年間は「試合に出られるか分からない」との不安から、自分に自信がなく気持ちが安定しなかったという神里。6年目の今シーズンを「勝負の年」と位置づけ、メンタルトレーニングも取り入れ、打率、出塁率の向上も目指す。

 塁に出れば積極的に次の塁を狙う。「やっぱり一番の武器は走力。足で魅せたい」と自己最多の15盗塁を超え、スピードスターへの成長を目指す。
 (屋嘉部長将)