沖縄で最大級だった「シーサー」引退 40年余うるま市太田の交差点で市民見守る 当時の若者たちが出勤前に製作


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撤去を前に大シーサーの前に集まる旧具志川市商工会青年部のメンバーら=12日、うるま市大田

 【うるま】うるま市大田の交差点に旧具志川市商工会青年部のメンバーが無償で設置した「大シーサー」が老朽化し、撤去されることになった。12日、当時のメンバーがシーサーの前で「感謝の集い」を開いた。当時は沖縄で最大級だったという大シーサーは「めんそーれー具志川」のメッセージで道行く人に観光をPRしていたが、メッセージはその後「火の用心」や「交通安全」に変わり、40年以上にわたって市民を見守ってきた。

 大シーサーは全長2メートル58センチ、重さ約3トン。1977年の具志川市商工会青年部の設立を記念して建設した。建築や型枠、鉄筋などの業種に携わる人がおり、体力もある青年部のメンバーが約半年間、出勤前の午前6時から8時まで作業に携わって作り上げた。延べ280人が作業に参加した。

 完成後は当時の具志川市に寄贈された。一方、設置から40年が過ぎて老朽化に関する懸念の声がうるま市に寄せられる中、市は撤去を決めた。

 撤去作業に先立ち開かれた「感謝の会」で初代青年部長の上原政英さん(88)は「若者が結束すれば朝の短い時間でもこういうことができるという経験になった」と振り返った。2代目青年部長の当銘由正さん(84)は「大シーサーはメッセージを変えながら具志川を見守ってきた。青年部OBたちも元気そうでうれしい」と再会も喜んだ。会には中村正人市長も駆け付けた。
 (島袋良太)