エッセイストのゆたかはじめ(本名・石田穣一=いしだ・じょういち)さんが17日午前10時55分、病気療養中のところ死去した。94歳。葬儀は近親者で行う。
東京都出身。那覇地裁所長・東京高裁長官などを務め、定年後の1993年に沖縄へ移住。沖縄キリスト教短期大学特任教授などを歴任した。95年から99年まで沖縄県行政オンブズマンを務め、2000年春の叙勲で勲一等瑞宝章を受けた。2003~06年に琉球新報「読者と新聞委員会」を務めた。
エッセイストとして著書も多く、ゆたかはじめ名義で「沖縄に電車が走る日」(2000年)、「広田弘毅の笑顔とともに」(10年)、「ゆたかはじめのゆんたくゼミ もうひとつの沖縄文化」(20年)などがある。鉄道愛好家としても知られ、路面電車を中心としたまちづくりを提唱した。
告別式は21日に執り行われる。時間や場所などは当日の告別式広告などで掲載する予定。遺族は21日の告別式で弔問などに対応したいとの意向を示している。
(普天間伊織)
目を輝かせ沖縄を探求 ゆたかはじめさんを悼む 高良倉吉・琉大名誉教授