ゆたかはじめこと石田穣一さんとは親しくさせていただいた。出会いは何のきっかけだったか。琉球舞踊家の佐藤太圭子さんのご主人が那覇の裁判所に勤めていて、ご夫妻を通じて那覇地裁の所長だった石田さんと出会ったと記憶している。
石田さんは東京高等裁判所長官を退官後、沖縄に移り住んだ。移住にあたって相談に乗るなど親交を深めた。移住後は沖縄キリスト教短期大学特任教授として活躍された。
鉄道をこよなく愛し、東京高等裁判所で勤める傍ら、全国の鉄道を乗り歩いておられた。南大東島のシュガートレインにも乗車。お会いするとその時の様子を聞かせてくれた。子どものようにうれしそうに「日本の最南端の鉄道に乗れた」と生き生きと語っていた。
沖縄が大好きな人だった。沖縄のことを探求し、エッセーや著書を通じて沖縄の良さをアピールした。お会いするたびに、沖縄のあちこちに行って見聞きしたことを少年のように目を輝かせてお話していた。その姿が思い出に残っている。
(琉球大名誉教授、談)
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