ノーベル賞受賞ペーボ氏「旧人」の魅力語る 「この20年、とりこに」 沖縄・OISTで講演


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研究成果を解説するスバンテ・ペーボ氏=18日、恩納村の沖縄科学技術大学院大学

 【恩納】2022年のノーベル医学生理学賞を受賞したスバンテ・ペーボ氏が18日、自身が客員教授を務める恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で講演した。ペーボ氏は「この20年ほど、ネアンデルタール人(旧人)のとりこになっている。現生人類に最も近い存在だからだ」とノーベル賞受賞に至った研究を解説し、その魅力について語った。

 ペーボ氏は沖縄懇話会が開いた催し「ラウンドテーブル」に出席し、財界人らを前に約10分間登壇した。困難だったネアンデルタール人のゲノム解析に成功し、遺伝子が現生人類にわずかに残っている事実を突き止めたことを整然と解説した。

 現在の研究について、新型コロナの重症化リスクを高めるネアンデルタール人由来の遺伝子が東アジアの人々にほとんどなく、南アジアに多かったことなどを説明し「重症化がどのように起こっているかを調べている」と報告した。(増田健太)