中国や台湾、香港、韓国などの国・地域では1月22日に春節(旧正月)を迎える。沖縄県の那覇空港国際線は昨年の10月以降に本格的に再開し、コロナ禍後初めてインバウンド(訪日客)が訪れる春節となる。那覇空港で国際線を就航する航空各社では、台湾、香港、韓国ともに搭乗の予約率が高くなっている。一方で、コロナ前に比べ海路が再開しておらず、航空路線も完全には回復していないことから輸送手段が少なく、水際対策措置で中国客が大幅に減少していることも重なり、コロナ前と比べ落ち着いた春節となりそうだ。
過去の春節を見ると、入域観光客数が過去最大となった2019年の2月には、中国や台湾などから約24万人のインバウンドが沖縄を訪れた。昨年11月は1万2100人で、11月以降に大幅な増便や国際クルーズ船の再開などはなく、1月の入域客は2万人程度と予想される。
18日に就航を再開した台湾のエバー航空の春節期間の予約率は約85%。コロナ後に初めて那覇路線を運航している台湾のスターラックス航空も予約率は8割に上り、平常時の1.5倍だという。
仁川路線を就航する大韓航空では、春節期間中はほぼ満席状態で、21日は通常より大型の航空機を運航する。担当者は「コロナ前は臨時便を飛ばしていたが、人手不足などで今年は厳しい」と話した。香港航空も春節期間の予約はほぼ満席のため、機種を拡大する予定だという。
香港からのインバウンドを多く受け入れる那覇市のホテル沖縄逸の彩では、21日~27日までの宿泊客はインバウンドが2割を占めるという。期間中は施設内で福笑いのイベントや、宿泊客に特別にラーメンや餃子を提供する。担当者は「中国客のキャンセルはあるものの、普段よりインバウンドが1割程度高くなっている」と話した。
那覇市のノボテル沖縄那覇では、ゴルフを目的に訪れる韓国客を主に受け入れる。韓国からの団体客は他の週末よりも3~4割多い。坂本公敏総支配人は「コロナ前に比べると春節で大きな影響はないが、OTA(インターネットを通じて旅行商品を販売する事業者)を経由して予約するインバウンドの個人客も多い」と話した。
(與那覇智早)