【動画あり】来訪神パーントゥが厄払う 3年ぶり伝統祭祀「サティパロウ」 沖縄・宮古島市上野野原


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集落内を練り歩き厄をはらう子どもと女性ら=19日午後、宮古島市上野野原

 【宮古島】ユネスコ無形文化遺産で国の重要無形民俗文化財にも指定される沖縄県宮古島市上野野原の伝統祭祀「サティパロウ(里払い)」が19日、野原集落で行われた。木彫りの仮面を着け、来訪神・パーントゥに扮(ふん)した男の子を先頭に、地域の子どもと女性らが集落内を練り歩いて厄を払い、向こう一年の安寧(あんねい)を願った。

 サティパロウは毎年旧暦12月最後の丑(うし)の日に行われる。新型コロナの影響で3年ぶりに執り行われた。

 パーントゥを先頭に子どもらが太鼓をたたき、ホラ貝を吹いた。女性は頭や腰につる草を巻き、ツサギー(ヤブニッケイ)の枝を打ち合わせて「ホーイホイ」と声を上げながら、旧正月を控えた集落の厄を払った。

 今年で3回目のパーントゥに扮した上野小6年の児童(12)は「楽しかった。小学校最後にできて良かった」とほっとした様子で話した。祭祀を仕切るトゥムー(役員)を務める高江洲リミさん(51)は「久しぶりにできてうれしい。大切な祭祀だから守っていきたい」と語った。

(佐野真慈)