【中部】生活環境の改善を求めた第4次嘉手納爆音訴訟の初弁論が開かれた19日、裁判所に向かう原告らの中に夫の遺影を持ち、強いまなざしで前を見据える女性の姿があった。「今は区域外なので原告ではないが、一緒に闘っている」。第3次で原告として参加した亡き夫とともに、静かな空を願い続ける。
60代の女性は夫の林秀男さん(享年72歳)と北谷町砂辺で生活していた。戦闘機が飛ぶたびに会話が遮られるなど、騒音は生活の問題だった。第4次への参加を誓い合ったが、秀男さんは2019年に他界した。「沖縄がこの状況のままなのはおかしい」と、生前に夫がよく口にしていた言葉が今も頭に残る。
現在は国が定めた騒音コンター(分布図)外に住んでいるが「沖縄という地に住んでいれば、上空には常に戦闘機やヘリコプターが飛び交っている。県全体の問題だ」。夫の思いも胸に、声を上げ続ける。
(名嘉一心)