「故郷ジャワ島に似た伊江島」で琉装姿にっこり エルナさん成人祝う 介護施設利用者らが祝福 沖縄


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琉装姿を披露し、花束を手にするエルナ・アルレス・セティアニさん=4日、伊江村東江前の特別養護老人ホームいえしま施設内(提供)

 【伊江】沖縄県伊江村東江前の特別養護老人ホームいえしま(磯ひとみ園長)では昨年9月から、インドネシア出身の4人が介護職員として働いている。4人は自国で日本語と介護についての基礎を学び、来島した。同ホームで日々の実践を重ね、仕事に励んでいる。4人のうち最年少は、来島直前に20歳の誕生日を迎えたエルナ・アルレス・セティアニさん(20)だ。施設内で4日、同ホームの入所者やグループホームいえしまの入居者、デイサービス利用者を招いた新年会とエルナさんの「20歳を祝う会」を開き、琉装姿のエルナさんを祝福した。

 インドネシアでは、選挙権が得られる17歳を成年年齢とし、日本の成人式のような式典は行わずに17歳の誕生日を家族で祝うのが一般的だという。同ホームの磯園長をはじめ職員は、日本の風習や文化にも触れてほしいと会を企画した。あでやかな琉装姿を披露したエルナさんは、「着物を着るのは初めてで、着れてうれしい」と笑顔。花束も受け取った。

 同ホームではエルナさんのほかに、アンギタ・ラティファ・ウルバさん(20)、ノルマ・エルマ・デジアナさん(21)、アウリア・プテリ・ヌグ・ロホさん(33)の計4人が、日本の介護の仕事を学び、島暮らしも楽しんでいる。エルナさんは「伊江島は故郷のジャワ島によく似ている。おばぁたちと話すのが好きで仕事をしている時が一番楽しい」と目を細めた。エルナさんらはお年寄りから「うちの孫の嫁に」と言われるなど、高評判だ。

 4人は働き者と太鼓判を押す磯園長は、「介護職の人材が減ってきている中で、この子たちが来てくれたおかげでスタッフにゆとりができ、いい効果が生まれている。若いパワーを発信していけたらもっといい施設ができる」と期待を寄せている。

(中川廣江通信員)

 

日本の介護の仕事を学ぶインドネシア出身の4人