【東京】米軍嘉手納弾薬庫地区(読谷村、沖縄市など)の陸上自衛隊による共同使用の拡大を巡り、浜田靖一防衛相は23日の閣議後会見で「既存の火薬庫3棟を陸自が新たに使用するべく日米で調整している」と明らかにした。「南西諸島における防衛体制を目に見える形で強化していきたい」と共同使用の意義を示した。3棟は陸自が使用するが、保管する弾薬の種類などは明らかにされていない。
嘉手納弾薬庫地区の共同使用の拡大は、12日に実施された日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で確認された。
これまでも嘉手納弾薬庫地区の一部を自衛隊が火薬などの貯蔵に使っていた。改修工事をへて2025年度以降、火薬庫3棟を陸自が新たに使用する計画だ。
昨年末に閣議決定された安保関連3文書の「防衛力整備計画」では、施設整備では各種弾薬・誘導弾の取得に連動し、必要となる火薬庫を整備するとした。火薬庫の確保に当たっては、米軍火薬庫の共同使用も掲げていた。同時に補給面では、5年以内をめどに南西地域に補給拠点を設置すると盛り込んだ。
一方、浜田氏は5年以内をめどに沖縄訓練場内に補給拠点を設ける計画についても「事態発生時に部隊の活動を迅速かつ継続的に支援するため」と説明した。
佐賀県の目達原駐屯地にある「九州補給処」の下部組織(支処)となる予定で、関係者によると「沖縄支処」(仮称)とされる。23年度予算案には、基本検討の経費が盛り込まれており、24年度以降、測量など調査や実施設計をへて工事に入る見通し。
(明真南斗)