南西地域産業活性化センター(NIAC)は24日、資源価格が10%上がった場合の沖縄経済に与える分析結果を発表した。沖縄の産業全体の物価上昇率の平均値は0.51%となり、全国(0.32%)の1.6倍となった。産業構造がサービス業に偏り、製造業の製品を県外からの移入に頼る沖縄では、物価上昇の問題は全国よりさらに深刻だと指摘した。
産業連関分析の手法を用いて、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の価格が現状から10%上昇し、ガス代や電気料金などの負担が増した場合の産業部門別の影響を計測した。物価の上昇率が大きい上位100部門の内訳をみると、沖縄は第3次産業が59部門を占めたのに対し、全国は22部門にとどまった。
より消費者に近い川下産業であるサービス業が中心の沖縄の場合、製造業と異なって資源価格の高騰によるコストの吸収が難しく、各部門の財やサービスの物価上昇に反映されやすくなる。加えて、製造関連の製品を県外からの移入に頼っているため、流通コストなどが上乗せされ、さらに物価上昇を招きやすい。
電気やガスの原材料となる資源は輸入に頼らざるを得ない現状があるが、対策面では「政府による強い管理が期待できる分野」だとも指摘。資源価格の高騰に伴う経済対策を講じる上で、沖縄のような地域では「国内他地域とは異なる施策を講ずるべきだろう」と提言している。
(當山幸都)