白塗りの「カミーサマ」登場 手作り神社で初詣、利用者ら笑顔 コロナ禍で職員考案 沖縄の老人ホーム


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「日の出園神社」を作った山内美奈子さん(左)と伊智宏美さん(右)、「仲里カミーサマ」を演じて利用者らを楽しませた仲里源正さん=6日、与那原町与那原の与那原日の出園

 【与那原】特別養護老人ホーム与那原日の出園(与那原町与那原)で4日、コロナ禍で外出が難しい施設利用者らに初詣の雰囲気を楽しんでもらおうと、職員が鳥居やさい銭箱などを作り、施設内に「日の出園神社」を創設した。利用者らは鳥居に向かって鈴を鳴らし、さい銭箱にお金を入れ、1年の健康などを祈願した。

 日の出園神社を制作したのは同園施設長の山内美奈子さん(50)と理学療法士の伊智宏美さん(38)。年末から元日にかけて集めた段ボールで鮮やかな赤色の鳥居やさい銭箱などを制作した。山内さんは「コロナ禍前は毎年初詣やお花見に出かけていたが、今では外出できない状態が続き、季節を味わえない状態にある。少しでもお正月を体感してもらおうと、鳥居やさい銭箱を作った」と語る。

鳥居に付けた鈴を鳴らして、参拝する利用者=4日(同園提供)

 4日に行われた「日の出園神社」の「初詣」には、同施設職員で元沖縄芝居役者の仲里源正さん(73)が「ノロ、仲里カミーサマ」と称して、白塗りの化粧をして鳥居の前でおはらいの寸劇を披露し、利用者らを笑いの渦に包んだ。仲里さんは「利用者の皆さんを笑わせることができ、うれしかった。正月気分を楽しんでもらえた」と笑顔で語った。

 利用者には、おとその代わりとして乳酸飲料が振る舞われた。伊智さんは「これからも、コロナ禍で楽しめるイベントを職員で考え、利用者の方々を楽しませたい」と意気込みを見せた。
 (金城実倫)